新しい管理用道路の整備が始まっています

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整備の状況

新しい管理用道路の整備工事が予定通り進んでいます。2022年4月から7月にかけて迂回のご協力をいただいていた期間で、徳沢から新村橋の少し先まで、左岸側に寄せたルートが整備されました。

上空から工事の様子を見てみましょう。

環境への配慮

上高地には、数十年前の堤防設置などの人為的な影響で樹林化した場所があちらこちらにあります。

出来るだけ人の手を加えない、手を加えるなら影響を最小化する、これが上高地における多くの方の合意事項です。人間活動の影響を長く受けてきた上高地。何をもって影響の大小を評価するのか。上高地のどのような状態を理想とするのか。多くの議論を経て、次のような考え方で、本プロジェクトの計画を立案しました。

目指す理想の姿

  • 1928年の文化財指定当時の状態を理想の姿とする
  • 「文化財指定された当時の状況を保存」という考え方を原則とする

ルート選定の基本的考え方

  • 指定当時から残る地形地質、動植物等は、守る対象として、整備範囲から除外
  • 指定時以降に人の手を加えた自然や景観は、改変の余地がある

この視点に立ち、管理用道路等は地形的に設置可能な場所に通しています。

新ルート整備のポイント

  • 左岸側に寄せ、梓川への影響を最小化
  • 過去に造られた堤防により樹林化してしまった(=手の人が加わった)部分を新ルートに選定
  • 当時から残る山体崩落の堆積物や巨樹巨木、登山者に人気のイチヨウランなどを避けて道を拡幅
保存例)かつての山体崩落の証である岩石の上に自生している樹木
保存例)登山者の目を楽しませてくれるイチヨウラン